2013年6月8日土曜日

篳篥を作ってみる(3):管内に色漆を塗る


木地固めの生漆が固まったら、少し凹凸を調整して色漆を塗りました。
冷蔵庫の中に、おそらく7~8年前に調合した朱漆がありましたので、
ダメもとで出してみますと、トロっとしていて行けそうな感じです。

念のため、新しい漆を混ぜました。

朱漆というのは、透明っぽい漆(朱合漆)に朱の顔料を混ぜて作ります。
朱合漆というのは、上の写真に写っている茶色っぽい漆です。





さて、管内に塗りこむのですが、まずは朱漆に含まれた細かいホコリなどを取り去るため
紙(吉野紙)で漉します。
上の写真に写っているねじった紙がそれです。
漆、特に色漆を塗るときは、ホコリが大敵ですので、作業に入る前は部屋を拭き掃除します。
本当は塗り専用の部屋があればいいのですが、そんなものがあるはずもなく・・・
ペーパー掛けなど、ホコリがたちまくる作業も同じ部屋でやっています。


今回は管内を塗るのに、写真のようなブラシを使いました。
生漆を塗った時に、布を巻いた棒ではどうしてもホコリがついてしまいそうだったので
たまたま発見したこのブラシを使用してみました。

太さも、長さも、篳篥を塗るのにもってこいで、きれいに塗れました。

このブラシは、実は「360°歯ブラシ たんぽぽの種」という歯ブラシです。
もう、篳篥の中を塗るために開発されたとしか思えない形です。




塗ったらこんな感じです。

プロの塗りを見ると、ぽってりツルツルで本当に美しいのですが
さすがにそこまで綺麗に行きません。
ただ、初めて作ったものよりはだいぶマシになりました。

漆に限りませんが、塗りを綺麗にするためには下地が命です。
下地の調整をもっと丁寧に行わないといけませんね。

発泡スチロールの簡易漆室で乾かす>細かいペーパーで調整>色漆を塗る

という工程を三度ほど繰り返して、とりあえずいいことにしました。

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